第5章 研修
1 政府奨学金
人事委員会が所管する政府奨学金の受領者は、奨学期間終了後、一定年限、公務員として従事する義務があるので、政府奨学金について本章で述べることとする。 (1)奨学金の選考 奨学金受領者の選考は公開競争、能力に基づき行われる。すなわち、政府奨学金に応募した者について、序章の教育の項目で述べたGCE Aレベルの試験の結果、面接結果を考慮して、受領者を選考する。政府奨学金に対する人気は高く、結果としてGCE Aレベルの試験の成績優秀者のほとんどが応募し、特に優秀な者が受領者となっている。 (2)奨学期間終了後の義務 奨学期間終了後、受領者は5年〜8年政府に勤務しなければならない。公務従事の義務を果たせない場合には、その従事できない期間に応じて、実際に要した費用を按分比例した額を弁済しなければならない。 受領者がどの省に採用されるかは、奨学金の種類によって予め決まっている場合と、予めは決まっておらず、大学卒業後採用時に受領者が希望を述べられる場合がある。 なお、シンガポールの民間企業の中にも奨学金を授与する企業があるが、人事委員会の奨学金を受ける場合、兵役を奨学期間終了後に延期することができるが、民間の奨学金の場合、そのような取扱いをすることはできない。 (3)政府奨学金の種類 政府奨学金の主なものは、次表のとおり。 学部奨学金中、最も名声が高いのは、大統領奨学金であり、その他、シンガポール軍奨学金、シンガポール警察奨学金などがある。大学院奨学金は、シンガポール国内の大学学部卒業者中成績優秀な者に授与される。 なお、人事委員会はアセアン諸国を対象に、シンガポールの短期大学への奨学金制度も有しており、1994年には164名のアセアン諸国の青年に対し、奨学金を付与した。
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